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2009/08/24 (Mon) The Summer of the Ubume
ジュネーブ滞在記の前にちょっと宣伝!

私が文化的・歴史的内容や表現のチェックをさせていただいた京極夏彦氏の「姑獲鳥の夏」の英訳版が、北米にて発売になりました!

タイトルは The Summer of the Ubume、Vertical社が英語版の出版元です。

翻訳をメイン担当されたのは私の長年の友人で凄腕の翻訳者、アレックス・O・スミス氏です。会社員時代に組んだことのある方なのですが、退社してフリーランスになってからは、ゲームや文学、カルチャー的な内容を専門に幅広く翻訳をされています。最近は特に日本のミステリー小説の英訳に意欲的に取り組んでいるようです。

物語を翻訳するのは得てして難しいものですが、特に京極堂シリーズはそのテーマや世界観が日本の文化や宗教観などに非常に強く濃く絡んでおり、忠実に解釈・翻訳しているつもりでも原文のニュアンスが伝えきれない部分が出てきてしまう恐れが高いのかも知れません。スミス氏は日本文化に深く傾倒しており、私がキャッチしたものは多くありませんが、原文の世界をより忠実に表せる手助けとなれたなら本当に嬉しく思います。

英語版に興味がある方はどうぞ読んでみてください。日本語版をすでにお読みになった方は特にその比較をするとおもしろいと思います。スミス氏の英訳は言葉の選び方が秀逸でテンポも良いので、ぐぐっと引き込まれますよ。


>>> アマゾン日本語版
>>> Amazon.com (English)

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2008/04/03 (Thu) ポップカルチャーを翻訳するということ
会社員時代からの知り合いで、翻訳会社を営んでいる翻訳者夫婦がおもしろい本を出しました。

Hello, Please! By Matt Alt and Hiroko Yoda


どこを向いても企業やグッズ、市町村にまでキャラクターがごく自然に付随している、世界でも稀有な国である日本。
もともと抽象化・擬人化を好む文化的な背景はありましたが、それにしても昨今のキャラクター化はすごい!今まではアングラ扱いされていたいわゆるオタク的なスタイルのものも市民権を得て、その多様性は増すばかりのように思えます。
Hello, Please!を執筆したMatt AltとHiroko Yodaは技術翻訳からカルチャー的なものまでなんでもこなしてしまう凄腕翻訳者夫婦なのですが、特にポップカルチャーを好んで扱っています。
今回二人が出版した本で扱われているキャラクター達は、まさに「無意識のキャラクター化」の産物とも言えるものがほとんど。無機物のキャラクター化、動物のデフォルメ、ありとあらゆる商品に当然のように存在しているキャラクターが日本中から集められています。
公園のカンバン、牛乳パック、自治体のマスコット…
「そういえばこんなのあった!」と我に返るものも多いので、ぜひ見てみてください。
私がこの本を買えたのは吉祥寺PARCOB2のLIBROでした。

AltJapanさんでは他にも日本のカルチャーを海外に紹介するおもしろ本を出しているので、興味ある人はアマゾンのリンクから辿っていってみてください。
Amazon.com内Hello, Please!紹介ページ


日本ではなんでもキャラクター化してしまうのが呼吸するのと同じくらい自然になったわけですが、今度は言語のことを。

日本語は数多ある世界の言語の中でも特に柔軟性に優れているため、マンガに世界一適した言語であるというのを聞いたことがあります(もっとも、この言語の特性をフル活用していったら日本独特のマンガ文化・マンガのスタイルが出来たということなのでしょうが)。語尾を自由自在に作れるなんてなかなかないことで、以前ゲーム翻訳をしている時に特にそれを痛感しました。喋り方ひとつとっても、既存のパターン以外にもいくらでも創作できてしまいます。口調によるキャラクターの膨らませ方に関しては、日本語→英語よりも、海外のゲームキャラの話し方を日本語に訳する方が、クリエイティブな意味では楽しい!

逆に言えば、特徴ありすぎる日本のゲームのキャラクターのダイアログを英語など多言語でそのまま活かすのはそれだけ難しいということになります。私は最近ゲーム翻訳を殆どやっていませんが、日本のゲームやアニメ、漫画のポピュラリティが世界に広まるにつれて、日本語だけではなく日本のゲーム文化、日本特有のネタなどにも敏感に反応できるようになった人が増え、ゲーム翻訳が出来る人も増えたようです。(そういえば私がアメリカの大学在学中、日本語のクラスでアシスタントをしていたのですが、プレゼンテーションのテーマを日本のアニメにしている人が既にいました。日本語を学ぶ人がまだ少なく、比較文学部の一部に過ぎない時代なのに!) 
もっとも、和製ゲームをローカライズする上では、日本のものをそのまま現地語訳すれば良いというものではなく、出版される国の文化・風土にあったものにしなくてはならないわけで…それはまた別の話ということで。

「言語は生き物」とよく言いますが、本当にその通り!数十年もすれば文法も変わっていることでしょう。事実、「ら」抜きが発生し始めた頃は相当問題扱いされた記憶がありますが、今では大人も子供も当然のように使っています。次は一体何が来るんでしょうか。
社会が変わり、言語も変わって行く大きな流れを見ていくのがなんだか楽しみでもあります。

2007/04/23 (Mon) 「~のかがみ」は鏡?
最近知ったデイリーヨミウリ記者のコレって英語で?というサイト、英語でどう言えばわからない日本語の表現をうまく説明していてなかなかおもしろい。なるほど~~と思いながら過去ログも読み漁りはじめたところ、「~の鏡」というエントリを見つけた。

以下引用:

模範、手本を意味する「~の鏡」は、「他の模範となる、称賛すべき」という意味のexemplary を使い、exemplary ~と説明できます。(以下略)

あれ、「鏡」?模範・手本を意味するのは「鑑」では?
と思い、あらためて辞書を引いたらやはり「~の鑑」であった。
ただしい英語表現を伝えるにはまず日本語が正しくなくてはいけない(間違いが多い私も他人の事は言えないが…)のにこれではイカン!と思い、訂正を求めるメールをデイリーヨミウリ記者のコレって英語で?宛に送った。

そして5日後、返答のメールをいただいた。以下一部抜粋:

弊社では、常用外漢字の「鑑」は紙面、サイトで使用せず、
常用漢字の「鏡」を使用する用語ルールを決めております。


え、常用外?
普通に見かけている「鑑」が常用外とは知らなかった。
自宅にある三省堂の国語の辞書を引いてみると、常用外という表記はない。
オンラインの辞書でも調べたが、やはり常用外という表記はなし。
だいたいこれが常用外なら「鑑みる」「鑑定」「鑑賞」など普通に使われてる表現が使えなくなるか、漢字を変えるか、最悪ひらがな表記になってしまうということだろう。

うーん、納得できない!と思い、さらに調べまくってみた。
すると、PCの変換ツールの注釈で常用外であるという表記が出てきた。
それも「~の鑑」という使用法だけに適用されるらしい。
ちなみに、「かがみ」の注釈には「←鑑」とあったので、恐らくデイリーヨミウリがすべき表記変更は「鏡」という別の意味を持つ名詞に置き換えることではなく、「かがみ」とひらがな表記することだったのだろう。

これを提案してみようかな…と思ったが、一般的に使われているとは言えここではどうしても妥当とは思えない「鏡」を使用することに疑問を抱いていない様子であったので、意義のあるやり取りに発展することには期待できないのかも知れない。とは言え私もこれを機に勉強できたのでそれは本当によかった。
さしあたっては、自分も今後は常用外の漢字にももっと敏感になっておこう。日本語は本当におもしろい!

プロフィール

AJK

Author:AJK
WRC観戦が趣味の通訳・翻訳者です。
ひとつの文化として世界ラリー選手権が大好き!
テレビ朝日「地球の走り方」のコメンテーターとして出演中。

米国で会議通訳修士号(MACI)を取得後に自動車専門の同時・逐次通訳として活動、2015年より日本で会議通訳者として活動しています。

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